著しい借金返済 債務整理|第2 当事者の主張 1 原告らの主張 (1) 差止請求 ア差止請求を基礎付ける

借金返済の 侵害に債務整理である。」
環境
支配
生活


生活環境を享受する権利であり,憲法13条 及び25条,環境基本法3条並びに民法709条及び710条を実定法上の根 拠とする。
みだりに環境を汚染し,快適な生活を妨げ,又は妨げようとしてい る者に対しては,環境権に基づいて妨害の排除又は予防を請求し得ると解され る。
環境権は,良好な環境それ自体を享受する権利として,生命・身体・健康な 生存を維持する権利としての内実を含む人格権の外延をなす権利として存在す る。
各人の生命,健康等の被害が発生していなくても,抽象的被害が生じた場 合であって,その抽象的危険性が地域的な広がりを持ち,又は生態系に悪影響 を及ぼすときには,環境権の侵害があるというべきである。
原告らには,本件航空機騒音により,抽象的危険にとどまらず,「広義の健康 被害」という既に具体的な身体的被害が生じ,又は生ずる危険にさらされてい る。
そのため,本件航空機騒音による被害は,地域的な広がりを持った被害で あり,将来被害が発生・拡大する危険が存している。
- 16 - したがって,原告らには,身体的被害が生じ,又は生ずる危険にさらされて いるから,被告に対し,環境権に基づき,普天間飛行場における夜間の航空機 の離着陸及び1日を通じて一定のレベルの本件航空機騒音の発生の差止めを請 求することができるというべきである。
(ウ) 平和的生存権 平和的生存権は,人間としての生存と尊厳を維持し,戦争行為によって生命 の危険に脅えることなく,平穏な社会生活を営むことを阻害されない権利であ る。
平和的生存権は,日本国憲法前文に「恐怖と欠乏から免れ,平和のうちに生 存する権利」として明記され,日本国憲法の基本原理である平和主義(憲法9条) と個人の尊厳,それを基礎とする幸福追求権(憲法13条)から導かれる。
平 和は,人権保障の不可欠の土台であるから,戦争のない平和な状態で生存する こと自体が人権であると考えられる。
これに対する侵害に対しては,平和的生 存権に基づき,司法的救済を求めることができる。
沖縄では,平和的生存権が過去に具体的に侵害され,また,侵害され続けて いる。
したがって,原告らには,被告に対し,平和的生存権に基づき,普天間飛行 場における夜間の航空機の離着陸及び1日を通じて一定のレベルの本件航空機 騒音の発生の差止めを請求することができるというべきである。
イ差止めの可能性と許容性 (ア) 米軍に対する法的規制の根拠 a 市民法の原理 日本国憲法は,平和主義を基本原理としているから,軍事行政に係わる事 項の範囲は可及的に縮小されなければならない一方,国民の基本的人権を基 礎とする市民法秩序には,原則として無条件かつ最大限の保障が与えられな ければならない。
そのため,軍事行政に係わる事柄が直ちに市民法秩序に無 条件に優先すると考えることはできない。
- 17 - また,原告らが民事訴訟という日本国内における法的救済手続を利用して, 日本国内における本件航空機騒音による被害から市民法原理に従った救済を 求めることが認められても,我が国とアメリカ合衆国との外交上の信頼関係 を損なうものではない。
したがって,原告らの人格権,環境権,平和的生存権が米軍機により違法 に侵害されている場合には,被告は,条約又はこれに基づく国内法令に特段 の定めがなくても,そのような権利侵害から住民を救済すべき責務を負うべ きであるから,被告は,米軍の活動を制限することができ,また,制限すべ きである。
b 米軍に対する国内法の適用 (a) 領域主権の原則 国は,国際法上,自国領域内において,条約などによる特別の制限がな い限り,排他的な統治権を行使することができる(領域主権)。
他方,国 内に駐留する外国軍隊を受入国の国内法令の適用から除外する一般国際法 の規則は存在しない。
そのため,領域主権は,領域内にある外国の軍用機 に対しても,当然に及ぶ。
したがって,我が国の国内法は,米軍機に対しても適用されるべきであ る。
(b) 地位協定3条,16条 地位協定3条1項は,1文で,日本に在る米軍基地内に関しては,米軍 の広範な管理権を認めている一方,基地外については,2文で,「日本国 政府は,…それらの施設及び区域に隣接し又はそれらの近傍の土地,領水 及び空間において,関係法令の範囲内で必要な措置を執るものとする。
」 と規定し,米軍が基地外の基地周辺で採り得る措置を我が国の関係法令の 範囲内に限っている。


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また,基地内で米軍が採り得る措置は,その結果が基地内にとどまる限 - 18 - りは我が国の法令の適用を受けないと考えられるものの,本件航空機騒音 のように,結果が基地外に及ぶ場合は,米軍は,地位協定3条3項により, 公共の安全に妥当な考慮を払わなければならない。
すなわち,米軍が我が 国の規制に従う義務を負うので,地位協定3条3項は,米軍の基地使用権 に対する制約原理となっている。
さらに,地位協定16条は,米軍における我が国の国内法の遵守義務を 定めているところ,地位協定は,全体として,我が国の国内法が米軍に対 して原則として適用されることを前提とし,我が国の国内法が適用されな い場合は,個別具体的に規定するという構造となっている。
したがって,我が国の国内法は,米軍機に対しても適用されるべきであ る。
(c) 地位協定18条5項 地位協定18条5項は,主権免除が認められる場合でも,不法行為から 生ずる周辺住民の請求を処理するために設けられた規定である。
そうする と,地位協定18条5項は,金銭請求に限った規定ではなく,条約上の「特 段の定め」に当たるといえる。
したがって,国を被告とする差止請求は,可能というべきである。
(d) 航空法97条 日本の上空は,米軍専用空域を含む領空に関しても,その使用又は規制 に関する最終決定権が我が国政府に留保されている。
航空機の航行など空 域利用に関わる事項については,航空法に対する除外規定又は変更規定が 置かれているものの,航空法の規定は,除外規定がない限り,米軍にも適 用される。
「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条 約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位 に関する協定及び日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の 実施に伴う航空法の特例に関する法律」(昭和27年法律第232号。
以下「航空特例法」という。
)は,航空法97条(航空管制権)の規定に - 19 - ついて適用を除外していない。
したがって,被告は,航空管制権に基づいて米軍機の運航を規制するこ とができる。
(イ) 被告の差止責任 a 共同妨害者としての責任 被告は,普天間飛行場の敷地につき,「沖縄における公用地等の暫定使用に 関する法律」を制定し,又は土地使用特措法を適用して,使用権原を取得し, アメリカ合衆国に提供した上,本件航空機騒音による被害が継続,増大して いることを認識しながら,特段の対策を講ずることなく,施設,便益を供与 し,いわゆる「思いやり予算」などの莫大な税金を投じて,普天間飛行場の 維持管理に協力,関与してきた。
このように,被告は,普天間飛行場の維持 管理・航空機の離着陸などに直接・間接に関与,協力してきているから,侵 害行為への関与,態様は悪質であるというべきである。
したがって,被告は,米軍と一緒になって原告らの権利を違法に侵害する 状態を生じさせている共同妨害者であるというべきである。
b 普天間飛行場の提供者としての責任 仮に被告が米軍との共同妨害者であるといえないとしても,普天間飛行場 は,違法な権利侵害を生じさせるような施設・区域であるので,欠陥施設・ 区域というべきであり,被告が当該欠陥施設・区域を提供して,米軍が本件 航空機騒音による被害を発生させている以上,被告は,米軍による権利侵害 状態の誘引者である。
また,被告が,前記aのとおり,本件航空機騒音によ る被害を認識しながら,特段の対策を講ずることなく,普天間飛行場の維持 管理に協力,関与している。
したがって,被告は,普天間飛行場の提供者として,米軍による権利侵害 状態を除去すべき義務を負っているので,差止請求の相手方となるというべ きである。
- 20 - (ウ) 差止め内容の合理性,実現可能性 人が,一般に,昼間の活動を終えて休息に入ろうとする時間は,午後7時こ ろであり,夜間の休息を終えて翌日の新たな活動に入ろうとする時間は,午前 7時ころである。
そこで,毎日午後7時から翌日午前7時までの普天間飛行場 における航空機の離着陸の禁止及び原告ら居住地に55ホンを超える騒音とな るエンジンテスト音等を発する行為の制限並びに毎日午前7時から午後7時ま での原告ら居住地における65ホンを超える騒音の制限を求めることは,原告 らが人であるに相応しい生活をする上で最小限の規制として合理的である。
また,このような制限は,飛行経路や訓練時間・内容を配慮し,エンジン調 整を行う場所等を住民のために配慮すれば,実現可能である上,日米合同委員 会(地位協定25条に規定する合同委員会をいう。
以下同じ。


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被害
被害,子供への影響等の深刻な「広義の健康被 害」を被っている。これらの「広義の健康被害」は,個人の生命・身体を侵害 する深刻な危険又はその不安感を本体とするものであり,原告らの人格権を侵 害しているので,その発生を続けさせないために,差止めが必要である。 したがって,原告らは,被告に対し,人格権に基づき,普天間飛行場におけ る夜間の航空機の離着陸及び1日を通じて一定のレベルの本件航空機騒音の発 生の差止めを請求することができるというべきである。